小林海都と鈴木愛美が本選進出
アクトシティ浜松を舞台に11月9日から行われている第12回浜松国際ピアノコンクールは、第3次予選の2日間の審査が終わり、20日夜、小川典子審査委員長から本選に進む6名の名前が発表された。日本勢では、佐川和冴が惜しくも通過を逃したが、小林海都と鈴木愛美の2名が本選進出を決めた。
◎本選出場者(6名)と本選での演奏曲目
05 ロバート・ビリー Robert BILY(チェコ、1997年)
S. プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 op.26
44 小林海都 KOBAYASHI Kaito(日本、1995年)
B. バルトーク:ピアノ協奏曲第3番 Sz.119
01 ヨナス・アウミラー Jonas AUMILLER(ドイツ、1998年)
J. ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15
10 JJ ジュン・リ・ブイ JJ Jun Li BUI(カナダ、2004年)
S. ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 op.43
68 コルクマズ・ジャン・サーラム Korkmaz Can SAGLAM(トルコ、1999年)
J. ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15
74 鈴木愛美 SUZUKI Manami(日本、2002年)
L. v. ベートーヴェンピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
第3次予選は室内楽とソロリサイタルの2部構成。室内楽では、課題曲として指定されていたモーツァルトの2曲のピアノ四重奏曲で、それぞれが繊細かつ伸びやかな演奏を披露した。一方、ソロは完全に自由選択。本大会序盤からの全体的傾向でもあったが、コンクールでよく登場する、超絶技巧が目立つ作品よりも、小林や鈴木のように、シューベルトの抒情性ゆたかな作品をじっくりと聴かせる選択をしたピアニストが多くみられたことが印象的だった。12名のプログラムが1曲もかぶることがなく、バッハからカール・ヴァインの1994年の作品まで時代的にも幅広い選曲となり、聴衆側にとっても、それぞれの出場者のプログラミングにも表れる音楽性の違いをじっくりと聴くことができるラウンドとなった。
本選は2日間の空き日をはさみ、23、24日の両日に行われ、24日夜には最終結果が発表される。6人のファイナリストたちにとっては、本選までの間に、共演する梅田俊明(指揮)東京交響楽団とのリハーサルに臨み、それぞれの協奏曲を仕上げ、当日を迎えるというタフなスケジュール。重量級の協奏曲6曲が並んだ。これまで世界的に活躍するピアニストを多数輩出してきた“浜コン”の新たな覇者は誰になるのか。HAMAMATSUが世界のピアノファンの耳目を集める最後の2日間となる。
第12回浜松国際ピアノコンクール
(会場:アクトシティ浜松)
オープニングコンサート 2024.11/4(月・祝) 中ホール
出場順抽選会(非公開) 11/8(金)
第1次予選 11/9(土)~ 11/13(水) 中ホール
第2次予選 11/15(金)~ 11/17(日) 中ホール
第3次予選 11/19(火)~11/20(水) 中ホール
本選 11/23(土・祝) ~ 11/24(日) 大ホール
表彰式 11/24(日)18:00 大ホール
入賞者披露演奏会 11/25(月)19:00 大ホール
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