5月の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012」(LFJ)開催に先立って、去る2月16日、ロシア大使館にてレセプションが開かれ、LFJアーティスティック・ディレクターであるルネ・マルタン氏とLFJアンバサダーの亀山郁夫氏(東京外国語大学学長、ロシア文学者)のトークが行われた。司会役は同じくLFJアンバサダーの小林和男氏(ジャーナリスト)。「音楽と文学を同じ位置におく」という亀山氏は『チャイコフスキーがなぜか好き』を上梓したばかり。「ロシアの音楽がこのように本格的に演奏されることは日本の音楽の歴史において画期的で大変に素晴らしいこと」と今回の企画を絶賛し、政治的に厳しい状況下で生まれたロシア音楽の魅力と深さ、そしてチャイコフスキーの芸術への愛情を語った。一方のマルタン氏は「ロシア音楽をテーマにしたのは2001年以来。今年はレニングラード(現サンクトぺテルブルク)音楽院が創立150年にあたるので、そのアニバーサリー的な意味も込めた。私の第一のお勧めはロシア正教の典礼音楽で、カペラ・サンクトペテルブルクの合唱をぜひ聴いてほしい」と述べ、「全て聴いたうえで選曲した」というロマン派から現代作品までの多彩なプログラミングについて熱弁をふるった。