ゴーティエ・カピュソンのパリ賛歌だ。2024年のオリンピックを見据えてのタイムリーな録音。曲目にはドビュッシーやラヴェル等もあるけれど、「オー・シャンゼリゼ」「枯葉」「男と女」「愛のファンタジー」等々、フランスの新旧ポピュラー音楽の名曲満載。ジェローム・デュクロが大部分を編曲し、パリ室内管にピアノに合唱に…と背景をカラフルに変えながら、カピュソンのチェロが響きわたる。豊かな歌と歯切れ良い「語り」で、ラモーからコスマまで時代を超えたひとつながりのパリを描く。ゴールドマンの新曲では世界の分断を超えた希望が歌われる。オリンピックを祝すなら、こうでなくては!
文:矢澤孝樹
(ぶらあぼ2024年1月号より)
【information】
CD『ディスティネーション・パリス/ゴーティエ・カピュソン』
M.ウィルシュ&M.ディーガン:ウォータールー・ロード(オー・シャンゼリゼ)/J.コスマ:枯葉/ラモー:《優雅なインドの国々》より〈未開人の踊り〉/J-J.ゴールドマン:パンサヌゥ(僕らを想って)/ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ (以上J.デュクロ編) 他
ゴーティエ・カピュソン(チェロ)
ジェローム・デュクロ(ピアノ/チェンバロ)
パリ室内管弦楽団 フランス国立放送少年合唱団 他
Erato/ワーナーミュージック・ジャパン
5419.772146 ¥オープン価格