『ぶらあぼ』誌面でご好評いただいている海外公演情報を「ぶらあぼONLINE」でもご紹介します。海外にはなかなか出かけられない日々が続きますが、“妄想トラベル”を楽しみましょう!
[以下、ぶらあぼ2023年6月号海外公演情報ページ掲載の情報です]
曽雌裕一 編
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本文に掲載した9月に開催される音楽祭だけでも「リンツ国際ブルックナー・フェスティバル」「ムジークフェスト・ベルリン」「ボン・ベートーヴェン音楽祭」「バイロイト・バロック・オペラ・フェスティバル」「ルツェルン音楽祭」「パルマ・ヴェルディ・フェスティバル」「ドヴォルザーク・プラハ国際音楽祭」「ジョルジェ・エネスク音楽祭」など多岐にわたる他、発表が遅れていた8月以前の夏の音楽祭についても後追い掲載したものが複数あるため、今月号は本文データが飽和状態となってしまった。そのため、重要な公演であってもやむなく割愛せざるを得なかったデータがたくさんある。詳細データは、ぜひともホームページでの再確認をお願いしたい。
そこで9月の注目公演。上述した各音楽祭の公演はどれも注目すべき内容を含んでいる。中でも「バイロイト・バロック」「パルマ・ヴェルディ」などは関心を持つ特定マニアにとって極めて重要な音楽祭。夏の「バイロイト音楽祭」が終わった後に街中の辺境伯歌劇場(世界遺産)で行われるもう一つの「バイロイト音楽祭」(バロック)は、今回も大変珍しいヘンデルの「フラヴィオ」を中心とした魅力的な古楽公演が並ぶ。ただし、演目によってはすでに売り切れ間近のものもあるのでご留意のほど。「パルマ」の方はヴェルディの生地ブッセートを含んだパルマ地域の音楽祭で、「第1回十字軍のロンバルディア人」「イル・トロヴァトーレ」など、これまたパルマで生まれた大指揮者トスカニーニの名を冠するオーケストラの演奏で、ヴェルディ尽くしの公演が楽しめる。
「ムジークフェスト・ベルリン」「ドヴォルザーク・プラハ国際音楽祭」「ジョルジェ・エネスク音楽祭」などは、有名メジャー・オーケストラが日替わりで次々に登場する、まさにオーケストラ・ファン垂涎の音楽祭。個々の注目公演は本文の◎印に譲るとして、組み合わせが目新しいという点では、ベルリンのJ.ヴィトマン指揮ベルリン・フィル、ブカレスト(エネスク音楽祭)のソヒエフ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管、デュトワ指揮ハンガリー国立フィルなどが挙げられる。
このほか、8月までに始まっていた音楽祭の後追い記述も「グラーフェネック音楽祭」「シューベルティアーデ」「ブレーメン音楽祭」「ルール・トリエンナーレ」「ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル」「プロムス」「エディンバラ国際フェスティバル」など多数に上るので、恐縮ながら注目公演は本文の◎印公演を中心に適宜ホームページで補足をお願いしたい(特に「ブレーメン音楽祭」での古楽系公演はすべて要注目)。ただ、本文に記述できなかったものとして、「ルール・トリエンナーレ」で9月21日にボーフムのヤールフンデルトハレで行われる、ティトゥス・エンゲル指揮バーゼル・シンフォニエッタの現代曲演奏会では、通常皆無に近い交響楽団とビッグバンドとの共演(ホームページ上では「ペンギンとホッキョクグマのようなもので、ほとんど出会うことはない」と説明されている)は内容的に全く予断を許さない演奏会として要注目とは言えそうだ(http://www.ruhrtriennale.de/de/programm/play-big/100)。
というような具合で、今月は音楽祭以外の個別の注目公演にあまり言及できなくなってしまったので、以下、注目の公演名だけ列挙したい。ウィーン国立歌劇場の「ダフネ」。コーミッシェ・オーパーのヘンツェ「メデューサの筏」、ハンブルク州立歌劇場の「ボリス・ゴドゥノフ」、ロト指揮レ・シエクルとイザベル・ファウストのヴァイオリンによるリゲティ各曲(ケルンのフィルハーモニー他)、パリ・オペラ座の「ドン・ジョヴァンニ」、英国ロイヤル・オペラの「ラインの黄金」各プレミエ。パリ・オペラ・コミークの「アンゴー夫人の娘」、フィルハーモニー・ド・パリでのピリスとその仲間たちによる室内楽、オランダ国立オペラの「マハゴニー市の興亡」等々。
(曽雌裕一・そしひろかず)
(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)