サントリーホールは2007年に就任した堤剛館長のもと“ともに歴史を創り、未来を育む”と“「人間環境」への貢献”の2つをモットーに活動を展開しているが、開館25周年目にあたる11年より、新しいプロジェクト2つを立ち上げることを発表した。
まず、秋の音楽シーズンの約2ヶ月間を〈サントリーホール・フェスティバル〉と命名し、9月から11月にかけて新企画「スペシャルステージ」と「ウィーン・フィルハーモニーウィーク・イン・ジャパン」などの主催公演を中核として、他の主催公演も含めサントリーホールならではのフェスティバルを行う。「スペシャルステージ」とは、世界的なアーティストが、フェスティバル期間中に行われるリサイタルや室内楽、さらにはエデュケーショナル・プログラムなど、多角的なアプローチを披露するもの。第1回には内田光子が登場し、リサイタルのほかハーゲン弦楽四重奏曲と共演する。ちなみに内田光子は、11年のプレ・イベントとして、10年にクリーヴランド管弦楽団と来日。弾き振りによるモーツァルトのピアノ協奏曲第23番K.488や第24番K.491を、さらにフランツ・ウェルザー=メストの指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲を披露することが決定している。
11年からのもう一つの新しいプロジェクトは〈サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン〉。“クラシック音楽の原点でもある室内楽本来の楽しさをもっと多くの人に知ってもらいたい”と、毎年春から初夏にかけて、ブルーローズ(小ホール)を舞台に第一級のアーティストたちによるコンサートで、さしずめ「アンサンブルの祭典」。若い団体を対象にワークショップが行われるほか、アーティストとその指導を受けた団体が共演する演奏会も行われる。