九州交響楽団のライブ配信に井上道義(指揮) が登場

井上 × 九響のショスタコーヴィチ第12番!

 前置きは不要。井上道義のショスタコーヴィチ。しかも12番。迷わず聴くべし。

 2024年末の引退前言をした井上。ただでさえ1回1回が貴重になるが、ショスタコーヴィチとなるとその価値はいや増す。もとより得意レパートリーだが、近年の演奏の壮絶さと深みは比類のない次元に達していて、最高の聴きものとなっている。3月の九州交響楽団との共演はオール・ショスタコーヴィチ、しかも3曲とも九響初演。同楽団の歴史にとっても重要な一夜になる。

(c)Yuriko Takagi

 「ロシアとキルギスの主題による序曲」は両国のリズミックな旋律による、最高に楽しく血沸き肉躍る一篇。「ジャズ組曲第1番」は洒落た旋律とオーケストレーションを楽しめる。ハワイアン・ギターも注目。

 そして、ロシア革命を題材にした交響曲第12番「1917年」。かつては体制迎合作品と見なされることもあったが、一筋縄ではいかぬ内容をもち、重厚で壮烈な音楽を堪能できる、やはり傑出したシンフォニーだ。井上は12番を特に愛好していて、各地の楽団で取り上げてきた。筆者は大阪フィルとN響との演奏を聴いたが、いずれも大興奮、最高の12番実演体験となっている。九響とも恐るべき名演奏を実現するはず。

 さらに、本公演は「ライブ配信」が行われるのも嬉しい(詳細は下記リンク)。都合のつく人は会場で、そうでない人は配信で、今後も語り草となるであろう「井上道義の『1917年』」を体験すべし。

文:林昌英

【Information】
九州交響楽団 第404回 定期演奏会
2023.3/15(水)19:00 アクロス福岡シンフォニーホール

指揮: 井上道義
ショスタコーヴィチ/ロシアとキルギスの主題による序曲 作品115
ショスタコーヴィチ/ジャズ組曲第1番
ショスタコーヴィチ/交響曲第12番 ニ短調「1917年」 作品112
●料金
S席¥5,300 A席¥4,400 B席¥3,300 学生席¥1,500 車椅子席(限定4席)¥3,300
配信チケット¥2,000

問:九響チケットサービス092-823-0101
http://kyukyo.or.jp
https://curtaincall.media/kyushusymphony(配信)