【SACD】シューマン:交響曲第2番、ブラームス:大学祝典序曲/山下一史&愛知室内オーケストラ

 山下一史が愛知室内オーケストラ(ACO)の初代音楽監督に就任したのを受けて、2022年4月16日に行われた披露のステージ、第31回定期演奏会のライブ録音。“老練”なオケには出せぬ、“若い”楽団であるACOならではの瑞々しい響きが、第1音から耳を捉える。シューマンの音楽に頻繁に現れる、舞曲を思わせる弾むフレーズも、本当に踊り出すかのよう。かたや、その緩徐楽章が湛える深い精神性。山下と楽員全員が、陽光と陰影が交錯する楽想へ軌を一にしていることが伝わってくる。そして、ACOの覇気が前面に出たブラームスの「大学祝典序曲」。青春に特有の情感がほとばしる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2023年2月号より)

【information】
SACD『シューマン:交響曲第2番、ブラームス:大学祝典序曲/山下一史&愛知室内オーケストラ』

シューマン:交響曲第2番 ハ長調
ブラームス:大学祝典序曲

山下一史(指揮)
愛知室内オーケストラ

収録:2022年4月、三井住友海上しらかわホール(ライブ)
妙音舎
MYCL-00040 ¥3520(税込)