清水和音(ピアノ)

名手・楽器・ホールの幸せな出会い

(C)K.Miura
(C)K.Miura

 10年ぶりの大々的なモデルチェンジを経て2010年に発表された、ヤマハのフルコンサートグランドピアノ「CFX」。演奏家からの評価も高く、愛奏するピアニストはますます増加している。
 去る4月、大阪ザ・シンフォニーホールに「CFX」が納入された。同ホールの楽器の選定に携わった清水和音が、そのピアノでリサイタルを行う。プログラムは、前半にショパンとラヴェル、後半にスクリャービンとリストの作品を交互に置くという、趣向を凝らした内容。「作曲家ごとの音の響き」を聴き比べてもらおうというものだ。なかでもスクリャービンのソナタは清水にとって演奏会初披露の作品。自ら選んだ楽器の能力を活かして奏でる、複雑で豊かな響きに期待する。一台一台異なる個性を持つ「CFX」の中から、清水はザ・シンフォニーホールという大きな空間を配慮し、ボディの鳴りの豊かさを大切に選定したという。名ピアニストの腕で、ホールにやってきた新たな楽器の音と珠玉の名品を味わいたい。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年10月号から)

10/9(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
問:ザ・シンフォニーチケットセンター
  06-6453-2333 
http://www.symphonyhall.jp