白石光隆 ピアノリサイタル 第27回

自在なピアニズムを大いに満喫

Photo:岩切 等
Photo:岩切 等

 温かでカラフルな音色と、知的でスマートな解釈、そして圧倒的な技術で聴衆を魅了し続ける白石光隆。室内楽や教育的プログラムも含め数多くのステージをこなし、確実に毎年、新しい音楽ファンの創出に貢献している。そんな白石は毎年東京でソロリサイタルを開催しており、今年で27回を数える。9月11日に津田ホールで開かれる今回のプログラムは実にバラエティに富む。幕開けのハイドンの幻想曲ハ長調op.58は、白石の軽妙なタッチが楽しみだ。シューマンの「クライスレリアーナ」では深みのある叙情性が示されるだろう。“アメリカの印象派”と呼ばれるグリフィスの小品「白い孔雀」op.7-1では、どんなニュアンスに富んだ音楽作りを示してくれるのだろうか。ラフマニノフの作品からは文句無しにロマンティックな小品を3つ、そしてリストの大作「ダンテを読んで」で締めくくる。多様な音楽にいかようにも応えられる白石のピアノを、夏の終わりにゆっくりと楽しみたい。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)

9/11(木)19:00 津田ホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677 
http://www.proarte.co.jp