福間洸太朗と日本フィルハーモニー交響楽団メンバーの弦楽五重奏による、ショパンのピアノ協奏曲第1番のライブ録音。スコアはケヴィン・ケナーとクシシュトフ・ドンベクが研究に基づいて編曲した室内楽版(2019年出版)で、かつてショパン自身が自作を披露していた際のスタイルに迫るもの。福間の品のある音が、若きショパンの詩情、情熱、傷つきやすさを丁寧に表現。弦楽器は室内楽ならではの身軽さでそれぞれが伸びやかに歌い、旋律の交差する様を管弦楽版より一層楽しむことができる。アンコールは、福間の繊細で輝かしい音で奏でられるノクターン第8番。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2022年9月号より)
【information】
CD『ショパン:ピアノ協奏曲第1番 他/福間洸太朗』
ショパン:ピアノ協奏曲第1番(室内楽版/ケヴィン・ケナー、クシシュトフ・ドンベク編)、ノクターン第8番
福間洸太朗(ピアノ)
日本フィルハーモニー交響楽団メンバー(弦楽五重奏)
【田野倉雅秋 竹歳夏鈴(以上ヴァイオリン) 安達真理(ヴィオラ) 石崎美雨(チェロ) 髙山智仁(コントラバス)】
収録:2022年1月、横浜市鶴見区文化センター サルビアホール(ライブ)
BRAVO RECORDS
BRAVO-10008 ¥3300(税込)