「クラシック・キャラバン 2022」記者会見に仲道郁代、福井敬、宮崎美子らが出席

全国21公演に約250名のアーティストが出演

 一般社団法人日本クラシック音楽事業協会は、昨年立ち上げた全国的な大規模プロジェクト「クラシック・キャラバン」を今年も開催することを発表した。8月2日、東京オペラシティ リサイタルホールで行われた記者会見に、同協会の入山功一会長のほか、出演アーティストを代表して指揮者の田中祐子、ピアニストの仲道郁代、テノールの福井敬の3人が、またプロジェクト・アンバサダーの宮崎美子(俳優)が登壇した。

 「クラシック・キャラバン 2022」は、「文化庁 統括団体によるアートキャラバン事業(コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業)」の一環として、9月18日の愛知公演を皮切りに12月22日の岡山公演まで、13地域、全21公演を予定。「クラシック音楽が世界をつなぐ ~輝く未来に向けて~」と題して全国を縦断するツアーには約250名の演奏家たちが出演する。今回のポイントは、日本クラシック音楽事業協会に加え、新たに各マネジメント事務所が主催者として企画・運営から関わること。各公演は各社が異なるテーマを設けてプログラムに反映し、それぞれの演目や出演者の個性が存分に生かされる構成で、年齢を問わず誰でも楽しめる幅広いラインナップとなった。

 大ホール公演「華麗なるガラ・コンサート」では、昨年と同様、「スーパー・クラシック・オーケストラ」がクラシック・キャラバンのために特別編成される。日本を代表する指揮者のタクトのもと豪華ソリストを迎え、名曲の数々を披露する。
 室内アンサンブルを中心とした小ホール公演「煌めくガラ・コンサート」では、それぞれの公演が特色を生かし、オリジナルなプログラムが目を引く。日本のクラシック音楽界で活躍するアーティストたちがソリストに登場するほか、ピアソラ没後30年を記念した特別公演、おなじみの名曲特集など充実の内容が並ぶ。団体・組織の垣根を越えた音楽家たちによる編成や出会いに期待が高まる。

入山功一

 2回目に実施にむけて、入山会長は本プロジェクトの意義を述べた。
「この2年半にわたり、協会では様々なコロナ対策の取り組みを行ってきましたが、演奏家に演奏の機会を創出するクラシック・キャラバンは、他の取り組みに比べ、より積極的で、一歩踏み込んだ事業です。コロナ以降の状況を検証したところ、コロナ以前(19年度)と比べて21年度は公演数が約85%に回復しており、皆さんも日常が戻ってきていると感じているかもしれません。しかし、集客数は40%に満たず危機的な状況はあまり改善されていないことが明らかです。業界全体が一致してクラシック・キャラバンのような事業に取り組む重要性を、広く知っていただきたいと思っています」

田中祐子

 「華麗なるガラ・コンサート」に出演する田中(9/18 愛知)、福井(9/29 東京)はそれぞれ以下のようにコメント。
田中「昨年は、岩手公演、最後の札幌公演に出演し、普段の公演ではご一緒できない方々など、垣根を越えてさまざまな音楽家同士の出会いがありました。音楽を届けたいという思いは、みんな同じだと信じていますが、個々のその思いは少しずつ違って当然なのだと指揮台から感じました。集団の中で同じ意見を持っていなくても共に作っていく音楽によって一つになるのだと、この2年半で実感しています。昨年は、客席で聴いて感動した地元・愛知の公演。今年は、(その愛知での)初日公演で皆さまと一緒に音楽に没頭できたらと思っています」

福井敬

福井「これだけの音楽家たちが揃い、ワクワクするようなコラボレーションが全国規模で実現するのはクラシック・キャラバンならではです。普段は共演することのないアーティスト同士の化学反応や、火花のちらし合いといった刺激的な要素もぜひお楽しみください。どの公演もそれぞれ工夫が凝らされていて、私自身『この公演聴きに行きたい!』『このプログラム、私も参加したい!』といった楽しみが膨らみます」

 「華麗なるガラ・コンサート」(11/2 広島)、「煌めくガラ・コンサート」(10/9 山形)に出演する仲道は、日本クラシック音楽事業協会の理事を務める。

仲道郁代

「2020年以降、舞台で演奏するとはどういうことなのか、自分自身、お客さまにとってどういう意味があるのかを確認し、問いながらやってまいりました。昨年のクラシック・キャラバンは、公演自体はとても華やかでしたが、これだけ多くのスタッフの方々が支えていてくださっていることの驚きと感謝、そして芸術に身を捧げることについて考えさせられました。今年は、このプロジェクトだからこそ生まれた新しい可能性にも心躍っています。この2年間、クラシック業界を挙げてこれだけの規模の企画を実施してきました。来年はどういうふうに歩んでいくのか。クラシック音楽が世の中でどういう存在かということを提示できるように、みんなで一緒に考える機会となればと思っています」

 プロジェクト・アンバサダーに就任した宮崎は、「ピーターと狼」をはじめとしたファミリー向けのクラシック音楽コンサートなどで、語りや司会を務めてきた。

宮崎美子

「日頃あまりクラシック音楽になじみのない方にも、より広くアピールしていきたい。責任の重みを感じています。オーケストラの生音の迫力は、また感じに行きたいと思わせる魅力がありますね。最初、楽団員のみなさんで音を合わせて、指揮者がこられて、『さあ、素敵な時間がいよいよ始まるぞ』という静寂、ドキドキするような緊張感や期待感は、本当に代え難いものだと思います。どなたにとってもクラシック音楽の存在が心地の良い、幸せなものになるようにと願っています」

クラシック・キャラバン 2022
クラシック音楽が世界をつなぐ ~輝く未来に向けて~ コンサート全国ツアー

https://www.classic-caravan.com

華麗なるガラ・コンサート
2022.9/18(日)13:30 愛知県芸術劇場 コンサートホール
9/25(日)15:00 札幌コンサートホールKitara
9/27(火)18:30 岩手県民会館
9/29(木)18:30 サントリーホール
10/10(月・祝)15:00 東京オペラシティ コンサートホール
10/22(土)15:00 大阪/ザ・シンフォニーホール
11/2(水)18:30 広島文化学園HBGホール
11/25(金)18:30 石川県立音楽堂 コンサートホール
12/8(木)18:30 福岡シンフォニーホール


煌めくガラ・コンサート
9/18(日)15:00 静岡市清水文化会館マリナート
9/23(金・祝)14:00 メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) 演劇ホール
10/1(土)15:00 沖縄県南城市文化センター シュガーホール
10/2(日)14:00 沖縄県南城市文化センター シュガーホール
10/9(日)15:00 山形テルサホール
12/1(木)19:00 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ
12/2(金)19:00 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ
12/5(月)18:30 長野市芸術館
12/9(金)19:00 王子ホール
12/13(火)18:30 レクザムホール(香川県県民ホール)(小)
12/15(木)18:30 高知県立県民文化ホール グリーンホール
12/22(木)18:30 倉敷市芸文館


問:「クラシック・キャラバン 2022」〜クラシック音楽が世界をつなぐ広報事務局090-7659-2683
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