9月12日から新国立劇場で上演される、東京二期会&アン・デア・ウィーン劇場共同制作、オペラ《イドメネオ》の立ち稽古が始まりました。
この《イドメネオ》、世界中のオペラ界でひっぱりだこのイタリアの若手演出家、ダミアーノ・ミキエレットが演出するとあって、ウィーンでは6公演がすべて完売するなど、大きな話題を呼んだ舞台です。
また、準・メルクルが指揮するのも注目点のひとつ。なにしろ、世界各国でオペラを手がけてオペラ指揮者としての名声を確立したメルクルが、この10年ほど、オペラの指揮台に立つことがほとんどなかったからです。(日本での最後のオペラ指揮は2007年ドレスデン国立歌劇場日本公演での《タンホイザー》)
沈黙を破り、満を持してオペラの舞台に戻ってくるメルクルと鬼才ミキエレットの描くモーツァルト!
ぶらあぼでは、この話題作の本番までを徹底取材!
今日から始まった立ち稽古では、スタッフ、歌手陣の顔合わせのあと、9月に来日するダミアーノ・ミキエレットに代わって、彼のアシスタントとしてウィーンでともに制作に関わってきた演出補のエレオノーラ・グラヴァニョーラさんからコンセプトの説明、その後、第1幕の稽古が始まりました。
(2014.8.12 都内練習所。 Photo:M.Terashi & J.Otsuka/TokyoMDE ※写真はクリックすると拡大します)
演出補のグラヴァグラノ(右)さんと演出助手の菊池裕美子さん。
グラヴァグラノ「ミキエレットの演出は、みなその解釈にびっくりしました。神話の話でもない、リアリズムでもない、時代背景とも関係ない。台本の中身をしっかり表現する、それがすべて。父と子(イドメネオとイダマンテ)の関係性を描く、権力の受け渡しがどうなるか、そこが重要で、それを伝えるのがこのオペラのコンセプト。そして、最後は『愛』が勝つのです」
説明に聞き入る歌手陣(手前:又吉秀樹(イドメネオ)、奥:与儀巧(イドメネオ)、左:新垣有希子(イリア)、ほか)
今回の舞台装置はすべてウィーンから取り寄せたもの。舞台全体はこのようにたくさんの土(のように見えますが、実は・・・)で覆われ、あちらこちらに靴が散乱しています。
グラヴァグラノ「砂は生命を表します。土地としての命でもあり、時には人の命を奪うものでもある。たくさんの靴があるのは、ここが戦場であり、トロイア人の死体も表しています。イリアが靴を祭壇のように並べるのに、エレットラがそれを蹴るシーンがあります」
稽古が始まりました。
【序曲】
イダマンテの立ち位置、演技指導が行われます。(左から、グラヴァグラノ、山下牧子(イダマンテ)、菊池、小林由佳(イダマンテ))
【第1幕第1場】
イドメネオの又吉さんとイダマンテの山下牧子さん。このお二人、舞台では違う組なので共演はありませんが、なにやら談笑・・・
ウィーン・オリジナル・プロダクション《アン・デア・ウィーン劇場との共同制作》
東京二期会オペラ劇場
オペラ《イドメネオ》全3幕
日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
2014年9月12日(金) 15:00 13日(土) 15:00 14日(日) 13:00 15日(月・祝) 13:00
新国立劇場 オペラパレス
上演予定時間:約3時間30分(休憩1回を含む)
■指揮: 準・メルクル
■演出: ダミアーノ・ミキエレット
■キャスト
●9月12日(金)/14日(日)
与儀巧 / 山下牧子 / 新垣有希子 / 大隅智佳子 / 大川信之 / 羽山晃生 / 倉本晋児
●9月13日(土)/15日(月・祝)
又吉秀樹 / 小林由佳 / 経塚果林 / 田崎尚美 / 北嶋信也 / 新津耕平 / 倉本晋児
合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京交響楽団
■チケット
S18,000円 A14,000円 B10,000円 C8,000円 D5,000円 学生 2,000円
※学生席は二期会チケットセンター電話のみの取扱い
■問
二期会チケットセンター 03-3796-1831
東京二期会オペラ劇場 http://www.nikikai.net/