【CD】ライヴァルたち〜フランス・オペラ、オペラ・コミークからのエールと二重唱/ヴェロニク・ジャンス&サンドリーヌ・ピオー

 当代一流のバロック歌手ヴェロニク・ジャンスとサンドリーヌ・ピオーが18世紀後半のフランス・オペラで競演する。当時パリで人気を競っていたライバル歌手になぞらえて、そのレパートリーを披露。ショーヴァンの指揮する古楽オーケストラがキレキレのリズムで伴奏する。それは最初の2曲を聴いただけでわかる。珍しいモンシニーとエデルマンのアリアでは、海の嵐の描写があり、ライバルたちの心の嵐と重なる。そのオーケストラ(特にティンパニ)もド迫力。グルックやグレトリのそれぞれのアリアも優れて魅力的だが、J.C.バッハやケルビーニの二重唱もとても美しい。
文:横原千史
(ぶらあぼ2022年5月号より)

【information】
CD『ライヴァルたち〜フランス・オペラ、オペラ・コミークからのエールと二重唱/ヴェロニク・ジャンス&サンドリーヌ・ピオー』

モンシニー:《美しきアルセーヌ》より〈ここはどこ?〉/エデルマン:《ナクソス島のアリアーヌ》より〈でも テゼはいない〉」/J.C.バッハ:《シピオーネの慈悲》より〈なんて不幸なの!何ですって?〉/グルック:《皇帝ティートの慈悲》より〈あなたの顔を 優しい風が〉 他

ヴェロニク・ジャンス サンドリーヌ・ピオー(以上ソプラノ)
ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ(管弦楽)
ジュリアン・ショーヴァン(指揮)

ALPHA CLASSICS/ナクソス・ジャパン
NYCX-10296 ¥3300(税込)