ベテランと俊英が織り成す瑞々しいアンサンブル
古くから室内楽に積極的で、現在も様々なグループが活躍するウィーン・フィル。その中核を担う一人がコンサートマスターのライナー・キュッヒルだ。そんな彼がチェロのヴィルヘルム・プレーガル(ケルンテン響ソロ奏者)と、ピアノのステファン・シュトロイスニックという気心の知れた仲間と共に日経ミューズサロンに登場する。どちらもキュッヒルが絶大な信頼を寄せるオーストリア出身の名手なので、瑞々しく充実した演奏を聴かせてくれることだろう。プログラムは、モーツァルトのピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲付き」、コダーイのヴァイオリンとチェロのための二重奏曲、ワックスマン「カルメン幻想曲」、シューベルトのピアノ三重奏曲第1番の4曲。多彩な編成の魅力と共に、アンサンブルを構築する際の均衡や緊張、そしてウィーンならではのロマンティックな表情と豊かな力感を全身で堪能したい。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ2014年6月号から)
★7月2日(水)・日経ホール
問:日経ミューズサロン事務局03-3943-7066
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