原点回帰、オール・テレマン・プロとバッハで臨む
半世紀以上にわたって関西を拠点に活動し、1981年からは東京での定期演奏会をスタート、近年は年5回のペースで開催してきた日本テレマン協会。今冬の東京定期では、テレマンの協奏曲集に、チェンバロの高田泰治が弾くバッハ「ゴルトベルク変奏曲」、チェロの鷲見敏による同じく「無伴奏組曲」全曲と、彼らの音楽の“粋”を聴かせる。
11月のステージは、「種々の楽器のための協奏曲」と題し、新アルバム発売記念のオール・テレマン(モダン楽器使用)。彼らの十八番とも言うべき“縦横フルート”こと「フルートとリコーダーのための協奏曲ホ短調」(独奏:森本英希&村田佳生)を軸に、ヴァイオリン(浅井咲乃)やヴィオラ(姜隆光)、フルート、リコーダー各々のソロ協奏曲が披露される。
12月は、高田による「ゴルトベルク」。2010年に同協会の定期演奏会で初披露して以来、東京や大阪などで継続的に手掛けているが、「同じ演奏の繰り返しはしない」との奏者の強い意志を反映し、その都度、テンポも解釈もまったく異にする音楽が生み出されてきた。今年は一体、どのような“変容”を遂げているのか。ぜひ体感したい。
そして、来年1月は、注目の俊英・鷲見が登場する。昨年2月と今年2月、二度に分けて無伴奏に初挑戦し、鮮烈な快演を披露。今回は1日で全6曲を弾き切る“荒行”に挑む。
音楽監督・CEOの延原武春は「我々の“原点”である、バロックの粋をご披露できれば」と話している。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2021年11月号より)
第282回 定期演奏会 2021.11/10(水)18:30
第283回 定期演奏会 12/6(月)18:30
第285回 定期演奏会 2022.1/29(土)13:30
東京文化会館(小)
問:日本テレマン協会事務局06-6345-1046
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