銀座ぶらっとコンサート #158 吉井瑞穂 鎌倉 to 銀座 Vol.3

3人の名手が奏でる心地よいサウンドを愉しむ午後

(C)Marco Borggreve

 ソロ、室内楽、オーケストラ、それぞれの分野で意欲的な活動をくりひろげる世界的オーボエ奏者の吉井瑞穂が、王子ホールの「銀座ぶらっとコンサート #158」に出演する。吉井が生まれ育った鎌倉の風を銀座に届けるという「鎌倉 to 銀座」シリーズの第3回となる。共演者には日本を代表するハープ奏者である吉野直子、さらにイギリス出身のバリトン歌手アリステア・シェルトン=スミスが招かれる。

 イギリス、フランス、スペインの音楽が集められた休憩なしの70分程度の公演で、なによりオーボエとハープとバリトンという組合せが新鮮だ。刺激的というよりは、やさしく心地よい音色の楽器と声が集まっているのが特徴的。気候のよい5月の平日昼間の公演とあって、銀座をぶらりと散歩しつつ、名手たちが奏でる音楽に耳を傾けるという、優雅な楽しみ方にぴったりだろう。

 プログラムも凝っている。ブリテンが無伴奏オーボエのために書いた「オヴィディウスによる6つのメタモルフォーゼ」抜粋、バリトンにオーボエが寄り添うヴォーン・ウィリアムズの「10のブレイクの歌」抜粋、オーボエとハープで演奏するドビュッシーの「ビリティス〜『6つの古代碑銘』」からの4曲やグラナドスの「スペイン舞曲集」からの2曲など、多彩な音色表現を満喫できそうだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2021年5月号より)

*緊急事態宣言発令により本公演は延期となりました。(4.23, 4/26主催者発表)
【振替公演】2021.12/24(金)13:30
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2021.5/11(火)13:30 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990 
https://www.ojihall.jp