【CD】ショパン:バラードと即興曲/アンナ・ヴィニツカヤ

 ロシア出身のピアニスト、アンナ・ヴィニツカヤは2007年にエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝し世界的な注目を集めた。ラフマニノフなど祖国ロシアの作曲家の作品はもちろん、ブラームスにラヴェルの作品も得意とするなど幅広いレパートリーを誇り、ドラマティックな表現で作品の魅力を鮮やかに示す演奏で高い評価を得ている。そんな彼女の新作は、これまでとは大きく方向を変えたオール・ショパン・プログラムだ。重厚なスケールの大きな演奏でありながら、フランスものも得意とする彼女らしいスマートさも随所に織り込まれ、実にバランスのいい演奏である。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2021年3月号より)

【information】
CD『ショパン:バラードと即興曲/アンナ・ヴィニツカヤ』

ショパン:バラード第1番~第4番、即興曲第1番~第3番、幻想即興曲(即興曲第4番)

アンナ・ヴィニツカヤ(ピアノ)

ALPHA/ナクソス・ジャパン
NYCX-10191 ¥2700+税