第504回日経ミューズサロン 辻 彩奈 ヴァイオリン・リサイタル

新しい年のはじめに、次代を担う才媛が登場

C)Makoto Kamiya
 新年早々、日経ミューズサロンで辻彩奈のヴァイオリンの音色に浸れる。2016年、10代にしてモントリオール国際音楽コンクール優勝を成し遂げ、すでに内外の名門楽団との共演を重ねる辻は、安定した高い技巧と没入するような濃密な表現を併せもち、若手奏者の代表格的な存在として活躍する俊才だ。

 今回は、幅広いレパートリーをもつピアノの名人、佐藤卓史とともに、ベートーヴェンのソナタ第5番「春」と第8番、ショーソン「詩曲」にラヴェルの「ツィガーヌ」とソナタ第2番という、古典と近代フランスの名品5曲を聴かせる。いまの彼女の演奏でこそ聴きたい曲ばかりで、作品の新たな魅力も味わえそう。しかも、同日に昼と夜の2公演が行われることになり、都合にあわせて選べるのもうれしい。

 また、アート&カルチャーのコンテンツを鑑賞して学べる有料配信サービス「日経アートアカデミア」において、1月下旬から当公演の配信が予定されている。ステージでもオンラインでも、辻のヴァイオリンを堪能できる好機となる。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2021年1月号より)

2021.1/5(火)14:30 18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
https://www.nikkei-hall.com