神童ヴァイオリニストも登場する圧巻のプログラム
新日本フィルの1月の定期演奏会に、まだ9歳のヴァイオリニストが独奏者として登場する。パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番を弾く吉村妃鞠(ひまり)は2011年生まれの小学3年生。原田幸一郎、小栗まち絵、ザハール・ブロンらに師事し、これまでに、第12回アルテュール・グリュミオー国際ヴァイオリンコンクール カテゴリーA(10歳以下の部)、第26回アンドレア・ポスタッキーニ国際ヴァイオリンコンクール カテゴリーA(11歳以下の部)、第20回シェルクンチク国際音楽コンクール 弦楽器部門(14歳以下の部)のそれぞれで第1位を獲得。20年8月には小林研一郎指揮東京交響楽団と共演した。パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番は、すでにニコライ・ジャジューラ指揮キエフ国立フィル、ウラディーミル・スピヴァコフ指揮ロシア・ナショナル・フィル、イヴァン・ストルボフ指揮モスクワ・フィルとも共演している彼女の十八番というべきレパートリー。今回は、定期演奏会のソリストを務めるということで、ベストの条件で彼女の真価を聴くことができるに違いない。指揮は広上淳一。
演奏会では他に、スメタナの歌劇《売られた花嫁》序曲とドヴォルザークの交響曲第8番が演奏される。広上はこれまでもNHK交響楽団の定期公演などでドヴォルザークの交響曲第8番で歌心に満ちた演奏を繰り広げてきた。年末の「第九」に続いての共演となる新日本フィルとどんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみだ。
文:山田治生
(ぶらあぼ2021年1月号より)
第629回 定期演奏会 ジェイド〈サントリーホール・シリーズ〉
2021.1/30(土)14:00 サントリーホール
問:新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815
https://www.njp.or.jp