第501回日経ミューズサロン セリーナ・オット トランペット・リサイタル

トランペット界のミューズ、注目の初来日!

C)Oliver Kendl
 いま最注目のトランペッターが日経ミューズサロンに登場する。その名はセリーナ・オット。2018年、“最難関”とされるミュンヘン国際音楽コンクールのトランペット部門で女性初の優勝を成し遂げた、オーストリアの天才奏者である。

 6歳でトランペットを始め、ウィーンやカールスルーエ(有名なラインホルト・フリードリヒに師事)の音大で学んだ彼女は、コンクール優勝後ソリストの道を歩み、ケルンWDR響、ベルリン・ドイツ響、チェコ・フィル等の著名楽団との共演をはじめ世界的に活躍している。超絶的な技巧、豊潤にして張りのある音色、デリケートな表現力を併せ持った演奏はすこぶる魅力的。なかでもスムーズな音の運びには驚嘆させられる。

 彼女は今回初来日にもかかわらず、ペスキン、パクムトヴァ、グリエール(原曲はコロラトゥーラ・ソプラノ協奏曲)の協奏曲と、ブラント、ゲディケのテクニカルな小品を並べた近現代ロシア中心のプロで勝負する。この意欲的かつ筋の通った内容も音楽性の高さの証し。共演はピアノのリンエン=チァ。ここはぜひ若き実力者の妙技に酔いしれたい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2020年10月号より)

*新型コロナウイルスの感染拡大に伴う渡航制限により、セリーナ・オットが来日できなくなったため、「N響首席トランペット奏者 菊本和昭率いる ザ・チェンバーブラス(N響メンバーによる金管五重奏団)」に出演者を変更して開催することとなりました。
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2020.10/14(水)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
http://www.nikkei-hall.com