心震わせる歌声で名実ともに今の音楽シーンを代表するソプラノの一人。待望のデビュー・アルバムにはレパートリーの中心であるイタリアとフランスのオペラ・アリアや歌曲を収録。「歌唱・容姿ともに理想のミミ」と絶賛された《ラ・ボエーム》に始まり、《トゥーランドット》のリューや《ファウスト》のマルグリートに《カルメン》のミカエラなど、可憐な舞台姿が目に浮かぶヒロインたちが大集合。ヴィヴァルディ作品や藤原歌劇団での初舞台だったヴォルフ=フェラーリ《イル・カンピエッロ》のガスパリーナも聴きどころ。盟友である指揮者の園田隆一郎のピアノ共演も理想的。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2020年1月号より)
【information】
SACD『ベルカント/砂川涼子』
プッチーニ:《ラ・ボエーム》より〈私の名はミミ〉、《トゥーランドット》より〈氷のような姫君の心も〉/ビゼー:《カルメン》より〈恐くないと言ったけれど〉/オッフェンバック:《ホフマン物語》より〈キジ鳩は逃げた〉/ヴォルフ=フェラーリ:《イル・カンピエッロ》より〈さようなら、愛しのヴェネツィア〉 他
砂川涼子(ソプラノ)
園田隆一郎(ピアノ)
アールアンフィニ
MECO-1056 ¥3000+税