ウィーン・シェーンブルン宮殿オーケストラ

歌ありダンスあり 貴族気分に浸る華やかなニューイヤー


 ウィーンのシェーンブルン宮殿といえば、かの女帝マリア・テレジアや幼いマリー・アントワネットをはじめ、歴史の上で多くの貴族たちが華麗な日々をおくった離宮。現在は世界文化遺産として多くの観光客を集めるなど、その栄華を現代に伝えている。そこで生まれ、育まれた音楽文化も多彩であり、いうまでもなくシュトラウス・ファミリーやウィーンが誇る作曲家たちによるワルツやポルカもこの宮殿の宝なのだ。

 ここを拠点に演奏活動を行っているウィーン・シェーンブルン宮殿オーケストラは、地元の人々が毎年、新年のコンサートを心待ちにしているという楽団。首席客演指揮者を務めるヴィニシウス・カターを指揮台に迎えた日本ツアーは、まさに“コンサートホールが宮殿に!”という興奮を味わえる。演奏されるのは「美しく青きドナウ」をはじめとするヨハン・シュトラウスⅡのワルツやポルカ、そしてウィンナ・オペレッタを代表する《こうもり》と、エメリッヒ・カールマン作曲による《チャールダーシュの女王》からのセレクション。2人の歌手たちが麗しい歌声を聴かせ、バレエ・ダンサーたちが優雅に舞うステージは、理屈抜きで楽しくゴージャスな気分を味わえるだろう。

 令和2年のニューイヤー・コンサート、どれに行こうかと迷っている方。ぜひ高貴な宮殿の香りに触れることができるこのオーケストラへ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2019年12月号より)

2020.1/10(金)13:30 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 
https://www.japanarts.co.jp/
※全国ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。