蘇州民族管弦楽団 日本公演

2017年創設の中国伝統楽器によるオーケストラが初来日!


 めったに聴くことができない独自の編成のオーケストラが中国からやってくる。2017年12月に創立されたばかりの蘇州民族管弦楽団だ。蘇州市に拠点を置くこの楽団は、中国民族楽器に西洋の楽器がミックスされたオーケストラ。編成は二胡、高胡、中胡、チェロ、コントラバス、柳琴、揚琴、琵琶、中阮、大阮、古筝、ハープ、笙、唢呐(チャルメラ)など。メンバーは約90人というから、通常の交響楽団並の大編成といっていいだろう。今回が初来日だが、すでにドイツ、オーストリア、イタリア、スイス、ロシア、アメリカなど、世界各地で公演を開いているという。まだ創設されて間もないことを考えれば、これは驚異的なツアー実績だ。

 今回の来日公演では、東京のサントリーホールをはじめ、広島、名古屋、金沢で公演を行う。指揮は芸術監督の彭家鵬。プログラムは「モルダウ」「二泉映月」「牡丹亭」、日本初演の中国作品と発表されている。独自の編成だけに、どんなサウンドが生まれるのかまったく想像がつかないが、映像を見た限りでは、西洋楽器のオーケストラの配置をベースとして、楽器を中国民族楽器に置換した編成、と考えればいいだろうか。つまり弦楽器パートを二胡、高胡、中胡が担い、低音弦楽器にはチェロとコントラバスを導入する。管楽器の配置も交響楽団風だが、柳琴、琵琶、阮といった撥弦楽器パートが入るのがおもしろい。驚きの体験が待っている。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2019年8月号より)

2019.9/13(金)19:00 広島県立文化芸術ホール
9/15(日)14:30 愛知県芸術劇場コンサートホール
9/17(火)19:00 金沢市文化ホール
9/19(木)19:00 サントリーホール
問:日本楽友協会03-6277-8559 
http://www.suzhousco.com/