アンドレアス・シュタイアー プロジェクト10 アンドレアス・シュタイアー(チェンバロ)

バッハと偉大なる先駆者たち――鍵盤語法の多様性を探る

 歴史的鍵盤楽器の世界的な達人、アンドレアス・シュタイアーが、トッパンホールで遂行中のプロジェクトの第10回目が12月に開催される。バッハが“鍵盤音楽の集大成”としてしたためた「平均律クラヴィーア曲集」を軸に、多様な側面からその源流を探り、さらに未来へと至る、200年の壮大な音の旅へと聴衆をいざなう。
 ステージは、まず、各24曲が全ての調性を網羅する「平均律」の構想の源流として、16世紀イギリスのジョン・ブルによる「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ」を披露。そして、第1・2巻から計7曲を厳選し、そこに込められた多彩な創意の源流を、様々な時代や地域の作品を併せて味わうことから、読み取ってゆく。
 ベームの作品からは、“前奏曲+フーガ”の構成を。バッハが鍵盤独奏用に編曲したヴィヴァルディからはイタリア趣味、フランス様式はクープラン、半音階的な進行はスウェーリンクから。あるいは、第1巻の終曲に漂う死の予感は、フローベルガーに。さらに、長男フリーデマンの作品で、大バッハの“未来性”を実感。そう、これは知的な冒険旅行なのだ。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2018年12月号より)

2018.12/18(火)19:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppanhall.com/