ウェスタ川越「オーケストラとめぐる旅」第1回 鈴木優人(指揮) 読売日本交響楽団

名曲がいざなうオーケストラとの旅

 2015年に川越駅西口にオープンしたウェスタ川越。1712席を備えた大ホールは最新鋭のシステムを完備し、環境にも出演者にも優しい次世代ホールとしての機能をもつ。音響のすばらしさも特筆すべきだ。
 その大ホールにおいて各国を旅するような3回のシリーズが行われる。題して「オーケストラとめぐる旅〜日本を代表する3つのオーケストラで聴きくらべ〜」。第1回は「スペインからロシアへ」(10/7)。ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」、ムソルグスキー(ラヴェル編曲)の「展覧会の絵」他を鈴木優人指揮読売日本交響楽団が演奏。多岐にわたる作品で世界を舞台に活躍する鈴木優人が、聴き手を作品が生まれた土地へといざなう。「展覧会の絵」はムソルグスキーが友人の画家ハルトマンの追悼展覧会の印象をもとに作曲したピアノ組曲。これをラヴェルがロシアの大地を思わせる迫力あふれる管弦楽曲に編曲、その響きがホールを満たす。さらに生前のロドリーゴに会ったことがあるギターの村治佳織がソリストとして加わる。「アランフェス協奏曲」は第2楽章の美しさが際立つ名曲。弱音の美しさに注目したい。
 第2回「アラビアン・ナイト」(2019.1/14)には田中祐子指揮新日本フィルハーモニー交響楽団、第3回「ドイツ、ザ・シンフォニー」(2019.3/30)には高関健指揮東京交響楽団が登場する。なお、姉妹企画として東京交響楽団弦楽四重奏団によるレクチャーコンサートシリーズ「弦楽四重奏でまなぶ旅」(全3回)も行われる。
文:伊熊よし子
(ぶらあぼ2018年9月号より)

スペインからロシアへ 〈アランフェス〉&〈展覧会の絵〉
2018.10/7(日)14:00 ウェスタ川越
問:ウェスタ川越049-249-3777 
http://www.westa-kawagoe.jp/