聖夜の前のジャンルレスな音楽パーティー
クリスマス・シーズンの定番となっているコンサートはたくさんあるが、パイプ・オルガンもその季節がよく似合う楽器だ。多彩なオルガン・コンサートを行っているミューザ川崎シンフォニーホールでも、クリスマスの直前である12月23日に、ちょっとユニークなコンサートが行われる。というのも、オルガニストとして登場する小野田良子は、大学在学中よりジャズ・ピアニストとしてのキャリアをスタートさせながら、聖グレゴリオの家やフェリス女学院大学でオルガンを学び、「夕の祈り」等のコンサートで知られる聖路加国際病院礼拝堂でオルガニストを務めているという音楽家だからだ。
それゆえコンサートのプログラムも、J.S.バッハの重厚な「前奏曲とフーガ イ短調 BWV543」やシベリウスのシンボル的な作品である「フィンランディア」、聖母マリアを讃える聖歌「アヴェ・マリス・ステラ(めでたし海の星)」などから、ディジー・ガレスピーのペンによる「チュニジアの夜」といったジャズ・ナンバー、そしてフラメンコ・ナンバーまで実に多彩。ゲストに世界的トランペッターの日野皓正や、フラメンコなど多ジャンルをカヴァーするギタリストの高木潤一、ラテン・パーカッションほか多種多様な楽器を操る藤橋万記を迎え、何が飛び出すかわからない「ちょっと早いクリスマス・プレゼント」のようなライヴが繰り広げられるだろう。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2017年11月号より)
2017.12/23(土・祝)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
http://www.kawasaki-sym-hall.jp/