八ヶ岳の春・音楽祭

極上の音楽と自然を味わう贅沢

 八ヶ岳山麓の美しい自然の中に佇む、八ヶ岳高原音楽堂。リヒテルと武満徹をアドバイザーとし、1988年にオープンしたこのホールは、わずか250席の親密な空気の中で音楽を堪能できる特別な場所だ。コンサートを聴き、その余韻にひたりながら八ヶ岳高原ロッジに宿泊する宿泊食事付きプランも好評で、さまざまなジャンルの演奏会が行われてきた。
 来たる2018年、音楽堂が開館30周年を迎えるということで、今シーズンはいくつかの特別企画が用意されている。その第1弾は、八ヶ岳高原が雪解けを迎える4月から5月上旬にかけて行われる「八ヶ岳の春・音楽祭」シリーズ5公演だ。
 まず4月15日に登場するのは、日本を代表するソプラノ歌手の佐藤しのぶ。これまでにもたびたび同音楽堂のステージに立つ彼女は、今回「春を想う、祈りのうた」と題し、〈落葉松〉〈さびしいカシの木〉など自然にまつわる歌や、シューベルトの〈菩提樹〉〈アヴェ・マリア〉といった名歌曲を聴かせる。
 そして4月16日は、音楽堂初登場となる諏訪内晶子によるヴァイオリン・リサイタル。この季節にぴったりのベートーヴェン「スプリング・ソナタ」に加え、プロコフィエフやファリャによる色鮮やかな作品で、春の訪れを彩る。
 4月30日にはチェロの巨匠、ミッシャ・マイスキーが登場。大自然の中で聴くJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第1番は格別だろう。愛娘のピアニスト、リリー・マイスキーと共演するのは、ブラームスのチェロ・ソナタ第1番。加えて、ファリャ、アルベニス、カサドといったスペインもの、そしてピアソラの「ル・グラン・タンゴ」で、力強く情熱的な音楽を届ける。
 そして5月のゴールデンウィーク中には、ジャズと歌謡界の有名ミュージシャンがやってくる。4日は、名サックス奏者、渡辺貞夫が若手とベテランの共演者とともに繰り広げる、熱いジャズライヴ。6日は、心にしみる歌声で長きにわたり愛され続ける、由紀さおり・安田祥子姉妹デュオのコンサート。〈みかんの花咲く丘〉〈おぼろ月夜〉など、懐かしい日本の歌で心安らぐ時間を届ける。ちなみに、4月15&16日、5月4&6日は、連泊して2公演を聴くプランもおすすめだそう。
 木のぬくもりを感じるホールが生み出す柔らかい響き、そして一歩外に出れば豊かな自然が広がる環境に、音楽がより特別に聴こえてくるはず。花が開き、鳥たちが歌い出すこの季節は、バードウォッチングにもぴったりだとか。音楽と自然を満喫する旅に出かけてみたい。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ 2017年4月号から)

4/15(土)16:30 佐藤しのぶ
4/16(日)16:30 諏訪内晶子
4/30(日)16:30 ミッシャ・マイスキー
5/4(木・祝)15:30 渡辺貞夫
5/6(土)16:30 由紀さおり・安田祥子
八ヶ岳高原音楽堂
問:八ヶ岳高原ロッジ0267-98-2131 
http://www.yatsugatake.co.jp/

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