現代人の感性に訴えかける鮮烈な音楽性
時代ごとの語法をきっちりと踏まえて、モダンとオリジナル、双方の鍵盤楽器を弾き分け、現代人の感性へ訴えかける鮮烈な音楽を生み出す、オランダの鬼才ロナルド・ブラウティハム。真冬のリサイタルで、親密なモーツァルト、熱きベートーヴェンで、ききての心に暖かな灯をともす。
ルドルフ・ゼルキンらモダン・ピアノの巨匠の薫陶を受け、近現代作品を得意にする一方、フォルテピアノで古典にも取り組み、自由闊達なプレイで聴衆の心を鷲掴みに。モーツァルトのピアノ協奏曲の全集録音を完結したばかり。ベートーヴェンのピアノ作品全集は、なお続行中だ。
今回は、19世紀初頭のアントン・ヴァルター製作のフォルテピアノを基に、アメリカの名工ポール・マクナルティが手掛けたレプリカの銘器を使用。前半では、青年期のモーツァルトによる佳品ソナタ第5番・第12番に、30代でしたためた美しい「ロンド イ短調」を。後半では、第8番「悲愴」に第18番、第17番「テンペスト」と、ベートーヴェンの3つの傑作ソナタを弾く。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2017年2月号から)
2/7(火)19:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppanhall.com/
他公演
2/4(土)兵庫県立芸術文化センター(小)(完売)、2/5(日)宗次ホール(052-265-1718)