将来有望な若き才能たちの競演
これまで国内外で活躍する多くの音楽家を輩出してきた東京音楽コンクール。各部門に外国人審査員を迎えるなど新たなスタートを切った昨年に続き、今年も大きな変化を迎えた。金管部門でテューバが審査対象に加わり、最高位入賞者もテューバから出たのである。さらに声楽とピアノ部門では、初の韓国人優勝者の登場が注目を集めた。この話題性に富んだ今回の優勝者と最高位入賞者が一堂に会する「第14回 東京音楽コンクール 優勝者&最高位入賞者コンサート」が、東京文化会館で開催される。
ピアノ部門からはチョン・キュビンが出演。まだ10代ながら「透徹した技術と音楽」と評された演奏で、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番」を聴かせてくれる。続いては、金管部門より木村皓一(テューバ)。審査員から「テューバ界の“強者”」と評された力強い音色でクーツィールの「テューバと弦楽オーケストラのための小協奏曲」を演奏する。「新しい歌唱スタイルを生み出すエネルギーとセンスの持ち主」と評された、声楽部門のアン・ジョンミン(バリトン)は、ヴェルディの《ドン・カルロ》のアリアなどを歌唱する。
彼らを力強く支えるのは、イタリアを中心に活躍が目覚ましい指揮者、園田隆一郎と読売日本交響楽団。さらに今回も、軽妙なトークで人気の朝岡聡によって演奏後インタビューも行われ、演奏家の素顔に迫る予定だ。これからの音楽界を担う若き才能の熱演をぜひ見届けたい。
文:長井進之介
(ぶらあぼ 2017年1月号から)
2017.1/9(月・祝)15:00 東京文化会館
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp/