第14回 ヘンデル・フェスティバル・ジャパン オラトリオ「ベルシャザル」

旧約聖書の世界を壮大な音楽で描く大作

 大作曲家ヘンデルの多様な作品の紹介を目的に、2003年にスタートしたヘンデル・フェスティバル・ジャパン(HFJ)。14回目は、旧約聖書にあるユダヤ解放の記述を、濃密な人間ドラマへと昇華した傑作オラトリオ「ベルシャザル」(全3幕)を取り上げる。「ベルシャザル」は1744年に作曲され、翌年3月にロンドンで初演。放蕩の限りを尽くすバビロニア王ベルシャザルが予言通り、ペルシャ軍に打ち負かされ、囚われていたユダヤの民が自由を享受するまでを劇的に描く。
 今回も、HFJ実行委員長で、ヘンデル研究の第一人者の三澤寿喜が指揮。ベルシャザルに辻裕久、息子の行状と国の将来を憂う母ニトクリスに佐竹由美、寛大なペルシャ王子キュロスに山下牧子、ユダヤの預言者ダニエルに波多野睦美ら豪華キャストで臨む。そして、キャノンズ・コンサート室内管弦楽団は、コンサートマスターに川久保洋子、首席チェロ奏者に懸田貴嗣と、欧州古楽シーンの一線で活躍する名手を迎える。幕間では初演時と同様、勝山雅世によるオルガン演奏が付される。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ 2017年1月号から)

2017.1/9(月・祝)15:30 浜離宮朝日ホール
問:アレグロミュージック03-5216-7131
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