Music Program TOKYO プラチナ・シリーズ 5 荘村清志(ギター)

武満の命日に捧ぐギターとうたの調べ

 1996年2月20日に世を去った武満徹の20回目の命日に、親交の深かった荘村清志が贈る武満プログラム。荘村と武満の出会いは74年。リサイタルのために新曲を委嘱したのが始まりだ。自らもギターを嗜んだ武満だが、詳しい知識はなく、どんな奏法が可能かを荘村に確認しながら作曲したのが、初めてのギター独奏曲「フォリオス」だった。曲尾近くには、晩年の武満が作曲前の儀式のように必ずピアノで弾いたというバッハ「マタイ受難曲」の有名な受難コラールが引用されている。病床の武満が最後に聴いた音楽も「マタイ」だったという。つまり40代のこの作品に、奇しくも終末の予感が刻まれていたわけだ。演奏曲はその「フォリオス」と、「エキノクス」、「すべては薄明のなかで」、荘村らに献呈された遺作「森のなかで」というギター独奏曲4作。そしてソプラノの小林沙羅を迎えて、心にしみる、宝石箱のようなソング集。武満イヤーの始まりを告げる午後。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)

2016.2/20(土)15:00 東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp

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