今年、開館40周年を迎えたサントリーホール。アニバーサリーを記念して、ホールの正面エントランスにあるパイプオルゴールの演奏曲に、日本を代表する作曲家・池辺晋一郎さんの新作「CELEBRATION for Suntory Hall」が6月から加わりました。
このパイプオルゴールは、1986年の開館とともに誕生し来場者を迎え続けてきた、サントリーホールのシンボルの一つ。公演の開場前と毎日正午になると、エントランス上部の扉が開いて37本のパイプが姿を見せ、脇に立つ「ぶどう畑の番人」を模した老人と少年のからくり人形が動き出します。愛らしい見た目ながら、パイプ部分は大ホールのオルガンと同じく、オーストリアの名門・リーガー社製。その本格的な響きで、開場を待つひとときに彩りを添えてきました。
池辺さんは、開館当初からサントリーホールと縁の深い作曲家のひとり。今回、パイプオルゴールの演奏レパートリーに自作が加わるのにあたって、次のようにコメントを寄せています。
サントリーホールが40周年を迎えたことは、本当に嬉しく、喜ばしいことです。今でもオープニングの時の光景は目に浮かび、耳にも残っています。当時サントリーの社長だった佐治敬三さんがオルガンのAの音を鳴らし、それがオープニングの合図となるという、しゃれた開館をしたわけです。そのあと芥川也寸志さんの曲が演奏されたこともよく覚えています。あれから40年が経ち、今や日本だけでなく世界で最も愛され、大切にすべき場所になったことを誇らしく思いますし、これから先の未来を考えると一層嬉しいです。
この晴れがましい場所に関われることは本当に名誉です。開場の時間に集まる、音楽とホールを大変に愛している方々に、サントリーホールがこれからもより大切にされていくことを、この作品を通して願っています。
コンサートを心待ちにする中、ふと聞こえてくる祝祭の調べ。サントリーホールを訪れる楽しみが、またひとつ増えそうです。今シーズンは各公演の開場前に演奏されるそうなので、コンサートに行く際はぜひ耳を傾けてください。

文:編集部
写真提供:サントリーホール
