フルートの可能性を追求した野心的な選曲
関西を拠点に、精力的な演奏活動を展開しているフルートの名匠・持田洋。ドイツ国立マンハイム音楽大学と国立ハンブルク音楽大学大学院に学び、ハイデルベルク室内管弦楽団首席奏者をはじめ、現地の楽団での活躍を経て、1975年から大阪フィルハーモニー交響楽団の首席奏者として、3年間にわたり故・朝比奈隆の名演を支えた。以後はソリストに転じて、国内外の一線楽団と共演。指揮者としても活動している。
今回のリサイタルでは、まずブラームスの2つのクラリネット・ソナタ、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第25番・第28番をそれぞれ原曲とする4つの「フルート・ソナタ」を軸に。ここへ「冥」、「中有」から3つの小品と、特にフルートの東洋的な響きに焦点を当てた佳品で知られる、福島和夫の作品を配する。共演ピアニストは入谷幸子。サウンドの多様性とレパートリーの可能性の双方に挑む、野心的なプログラム。このステージから、フルートの歴史に新たな1ページが刻まれる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)
10/27(火)19:00
兵庫県立芸術文化センター(小)
問:大阪アーティスト協会050-5510-9645
http://www.oaa1985.com