柔らかな歌声でジャンルを超えて“うた”を紡ぐバリトンのソロ5作目は、小原孝の軽妙洒脱なピアノ・アレンジも光る佳曲アルバム。シャンソン中心のように見えて、実は〈カルーソー〉(イタリア語)や〈想いの届く日〉(スペイン語)から、ポルトガル音楽・ファドの父カルロス・ド・カルモの代表曲や、ペギー葉山の歌唱で知られる〈ラ・ノビア〉、そして永六輔&中村八大コンビの〈黄昏のビギン〉まで盛りだくさんの内容。ピアフやアズナヴールの持ち歌の、人生の夕暮れ時にそっと寄り添うようなフランス語の響きは言うまでもないが、〈マイ・ウェイ〉や〈愛の讃歌〉の日本語歌唱も味わい深い。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2026年1月号より)
【information】
CD『夕映えのうた/坂下忠弘&小原孝』
ホアキン・プリエート:ラ・ノビア/ルーチョ・ダッラ:カルーソー/中村八大:黄昏のビギン/カルロス・ガルデル:想いの届く日/クロード・フランソワ/ジャック・ルヴォー:マイ・ウェイ/マルグリット・モノ:愛の讃歌 他
坂下忠弘(バリトン)
小原孝(ピアノ・編曲)
録音研究室(レック・ラボ)
NIKU-9072 ¥3080(税込)


