作曲家・木下牧子の2台ピアノ作品展に大瀧拓哉&永野光太郎が登場!

左より:木下牧子/大瀧拓哉/永野光太郎 ©S.Kuwajima

 2025年1月にオペラ《陰陽師》(東京室内歌劇場委嘱作)を初演し大好評を博した木下牧子が、6回目となる作品展を開く。これまでの5回は歌曲、合唱と小オケ、打楽器アンサンブル、ピアノを含む室内楽、オーケストラと、回ごとに異なる編成の作品を取り上げてきた木下。今回は2台ピアノの作品を中心とした作品展で、2023年にリリースしたCD『PUZZLE』に収録された曲がプログラムの中心となる。ピアノは、CDでも演奏を担当した大瀧拓哉と永野光太郎。大瀧はシュトゥットガルト音楽演劇大学やパリ国立高等音楽院などで学び、2016年オルレアン国際ピアノコンクールで優勝。17年にフランスでデビューCDをリリースし、帰国後は東京を拠点に古楽から現代音楽まで幅広いレパートリーで活躍する。永野は第2回オーストラリア国際ショパンピアノコンクールと台北ショパン国際ピアノコンクール第1位、第2回ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ記念国際ピアノコンクール第2位など国際コンクールで優秀な成績を収めた逸材。またチェンバロ奏者兼チェンバロ製作者としても活躍している。

 「2人とも主役、それぞれが技術と表現の火花を散らしていくエキサイティングなピアノ・デュオ作品を書きたいと思った」という木下の言葉が示すように、ピアノの技術や表現の魅力を存分に感じられるプログラム。また、今回の個展のために自作のピアノ協奏曲を2台ピアノのために編曲した作品が初披露されるのも楽しみだ。

文:室田尚子

(ぶらあぼ2026年1月号より)

木下牧子作品展6「PUZZLE」 2台ピアノの世界
2026.1/25(日)15:00 ヤマハホール
問:新演コンサート03-6384-2498 
https://www.shin-en.jp


室田尚子 Naoko Murota

東京藝術大学大学院修士課程(音楽学)修了。東京科学大学・昭和音楽大学非常勤講師。NHK-FM「オペラ・ファンタスティカ」レギュラー・パーソナリティ。オペラを中心にアーティストのインタビューや演奏会の紹介記事、エッセイなどを手がけるほか、ミュージカル、ロック、少女漫画などのジャンルでも執筆活動を行なっている。著書に『オペラの館がお待ちかね』(清流出版)、共著に『ヴィジュアル系の時代 ロック・化粧・ジェンダー』(青弓社)など。