
プラハから100kmほど離れた古都、フラデツ・クラーロヴェーで1973年に創設されたチェコ少女合唱団《イトロ》が2年ぶり9回目の来日を果たす。4歳から19歳まで、年齢ごとに分けられた6つの予備課程で学ぶ約350名の子どもたちの中から、選ばれた30名のみがステージに立つことができるという。これまでに国際コンクールで36回もの優勝を飾り、アメリカでは「少年少女合唱の歌唱様式に決定的な革新をもたらした」と絶賛された。

「少女合唱団」という名前から、子どもらしさをイメージする方も多いかもしれないが、実際は高度なトレーニングと音楽教育に裏打ちされた世界最高峰の女声コーラスというべきもの。ノン・ヴィブラートによる透明度の高い歌声が、あるがままの作品の姿をまっすぐに伝えてくる。ドヴォルザーク〈我が母の教え給いし歌〉、スメタナ「モルダウ」といったボヘミアの魂を感じさせる名曲から、ライヒ、ヴィヴァルディ、岡野貞一、菅野よう子まで、幅広いプログラムで「声の力」を存分に味わえることだろう(指揮:イジー・スコパル、ピアノ:マルティン・ドロッパ)。
文:原 典子
(ぶらあぼ2025年10月号より)
第563回日経ミューズサロン チェコ少女合唱団《イトロ》 ボヘミアから舞い降りる天使の歌声
2025.10/21(火)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
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