
右:ダニエル・オッテンザマー ©Andrej Grilc
2024/25シーズンから大阪フィルのアーティスト・イン・レジデンスを務めるウィーン・フィルの首席クラリネット奏者ダニエル・オッテンザマーが9月26、27日、大阪・フェスティバルホールで開かれる定期演奏会に登場する。デンマークの作曲家ニールセンのクラリネット協奏曲を演奏する。
オッテンザマーは、22年に大阪フィルとの初共演でコープランドの協奏曲を演奏。聴衆、団員に圧倒的な印象を与え、同楽団が新たにポジションを作って迎えた。
昨年、ウェーバーの協奏曲第2番を共演したほか、今年7月の特別演奏会では、モーツァルトの協奏交響曲のヴィオラ、ベートーヴェンの三重協奏曲のヴァイオリンの各独奏パートをクラリネットで演奏した。クラリネット独奏での2曲の演奏は、ウィーンでも経験のない試みだったが、見事成功させた。
ニールセンの協奏曲は、演奏機会の少ない難曲として知られる。オッテンザマーは、6月に行われた記者懇談会で、ウィーン・フィルとも録音しているこの作品について「とても美しいものと叫ぶような不快な音、メカニックかと思えば粗雑に、など極端なものを表現しないといけない」と語った。関係を深める大阪フィルについて、「アーティスト・イン・レジデンスとしての信頼関係があるからこそ、オーケストラにとって慣れないレパートリーにチャレンジする値打ちがある」とも。共演相手として不足なしとの意味だろう。
指揮は、定期初登場となるデンマーク出身のトーマス・ダウスゴー。ニールセンのスペシャリストとして知られ、序曲「ヘリオス」、交響曲第4番「不滅」も取り上げる。
文:石合 力
(ぶらあぼ2025年9月号より)
トーマス・ダウスゴー(指揮) 大阪フィルハーモニー交響楽団 第591回 定期演奏会
2025.9/26(金)19:00、9/27(土)15:00 大阪/フェスティバルホール
問:大阪フィル・チケットセンター06-6656-4890
https://www.osaka-phil.com


