篠崎史紀が率いる丁々発止のアンサンブル
2024北九州国際音楽祭 マイスター・アールト×ライジングスターオーケストラ

若手からベテランまで、名手たちによる年に一度のスペシャルステージ

提供:北九州国際音楽祭

 毎年秋、北九州市を楽の音の喜びで包む北九州国際音楽祭。注目の公演も多いが、多くの聴衆が楽しみに待っているのが「マイスター・アールト×ライジングスターオーケストラ」公演である。地元出身者を含む国内主要オーケストラのコンサートマスターや首席奏者を集めた「マイスター・アールト組」と、「市制50周年記念2013北九州国際音楽祭ガラ・コンサート」の際に、オーディションで選ばれた優秀な若手奏者たちを核とする「ライジングスター組」によって構成され、メイン会場のひとつ、響ホールで熱演を展開する。指揮者は置かず、真剣、かつ自由で溌剌としたリハーサルを積み上げ、まさにその場で生まれたかのような音楽を届けてくれる。

 今年の曲目はハイドンの「V字」、モーツァルトの「プラハ」、ベートーヴェンの交響曲第2番というウィーン古典派の魅力がたっぷり詰まったプログラム。おそらく作曲当時も、コンサートマスターが指揮者を兼ねる形で演奏されただろうし、活き活きとした音楽のやり取りが繰り返されたはず。ベートーヴェンは彼の耳の病気が悪化した時期の作品だが、その苦悩を感じさせず、むしろ運命に立ち向かっていこうとする意志が感じられる。ハイドンとモーツァルトもそれぞれの才能を惜しみなく発揮した傑作。それが響ホールの舞台上で新たな命を得る。九州にお住まいの方だけでなく、遠方からも聴きに行きたいコンサートだ。コンサートマスターはもちろん、北九州市出身の“まろ”こと篠崎史紀が務める。

文:片桐卓也

篠崎史紀 (c)井村重人

【Information】
2024北九州国際音楽祭
マイスター・アールト×ライジングスターオーケストラ

2024.11/23(土・祝)15:00 北九州市立響ホール
(14:15~プレ・ステージコンサート)

プログラム
ハイドン:交響曲第88番 ト長調 Hob.I:88「V字」
モーツァルト:交響曲第38番 二長調 K.504「プラハ」
ベートーヴェン:交響曲第2番 二長調 op.36
※指揮者なし

問:北九州市芸術文化振興財団音楽事業課093-663-6661
https://www.kimfes.com