「映像の時代」を代表する音楽作家によるデビュー50周年の集大成的“2枚組”自選ベスト盤。初めて手掛けたNHKドラマ『棲息分布』(1977年)のための(ジャズ・ロック風な)音楽から、一時期は多く担当していたというCMから“男のロマン”香る「カネボウ・デナリ」(91年)の曲、ブレイクのきっかけとなったNHKドキュメンタリー番組のために書いた曲、評価を確立した『阿弥陀堂だより』(2002年)や『博士の愛した数式』(06年)など小泉堯史監督作品の映画音楽、そして近年の代表作まで盛りだくさん。キャリアを網羅した本人が語る「映像音楽の歩み」(ライナーノーツ)も必見。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2024年2月号より)
【information】
CD『KAKO DÉBUT 50―加古隆 自選映像音楽集』
加古隆:棲息分布、ポエジー、ジブラルタルの風、パリは燃えているか、風のワルツ、白い巨塔、博士の愛した数式〜愛のテーマ、最後の忠臣蔵〜夢なれど〜、愛と憎しみの果てに、風のリフレイン、グラン・ボヤージュ 他
加古隆(作曲)
エイベックス・クラシックス
AVCL-84142〜3(2枚組) ¥3300(税込)