初共演の実力者二人によるユニークなデュオが誕生
平日のお昼に開催される約90分のコンサート「浜離宮ランチタイムコンサート」は、一流アーティストが演奏&トークで音楽の様々な魅力を届けてくれる人気シリーズ。この7月4日にはヴァイオリンとギターという珍しいデュオが登場する。最近引っ張りだこのヴァイオリニスト・金川真弓と、実力派ギタリスト・徳永真一郎という新鮮な組み合わせだ。
金川はドイツに生まれ、アメリカ生活を経て、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学でコリヤ・ブラッハーに師事。チャイコフスキー国際やロン=ティボー国際などの世界的なコンクールで入賞して注目を集め、欧米の一流オーケストラや日本の主要オーケストラとの共演を続ける。徳永は日本ギターコンクール優勝後に渡仏。パリ国立高等音楽院などで研鑽を積んだ気鋭だ。
ふたりが取り上げるのは、ヴァイオリンの鬼才パガニーニ(ギタリストとしても活躍した)の「協奏的ソナタ」に始まり、ファリャの「7つのスペイン民謡」より、レバイの「ヴァイオリンとギターのためのソナタ」など。それらに加えてソロで、金川がビーバー「パッサカリア」、徳永がタレガ「グラン・ホタ」を披露する。それぞれの楽器に親しみがあっても、ヴァイオリンとギターのデュオは意外に聴くチャンスの少ないもの。しかし、実際にはかなり相性の良い組み合わせであることが、このふたりの共演で分かるはず。若き実力派のデュオのなかに、新しい世界を感じてみたい。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2023年6月号より)
2023.7/4(火)11:30 浜離宮朝日ホール
問:朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/