「デビュー40周年記念」トリロジーの最終章
漆原啓子が18歳でヴァイオリンの難関、ヴィエニャフスキ国際コンクールで日本人初の優勝を飾ったのは1981年。デビュー40周年を経た2022〜23年にかけ、3回連続で企画したリサイタルのフィナーレが3月11日、東京文化会館小ホールで行われる。毎回、ピアニストと取り上げる作品の文化圏を変えてのトリロジー(三部作)。22年3月13日の同ホールは秋場敬浩とロシア&アルメニアの作品、11月9日のHakuju Hallは長年のデュオ・パートナーのドイツ人、ヤコブ・ロイシュナーとドイツ=オーストリアのソナタ、そして第3回は野平一郎を迎え、フランスのソナタと野平への委嘱新作初演で締めくくる。
「野平さんは天才過ぎて、最初にお会いした頃は恐れ多かったのですが(笑)、たまたま家が近所で往来が始まり、国立音楽大学の教職でもご一緒するようになって打ち解けました。初回の秋場さんも野平さんの紹介です。記念リサイタルの最後をご一緒できて、光栄に思います」と、漆原は期待を込めて語る。
文:池田卓夫
(ぶらあぼ2023年3月号より)
2023.3/11(土)14:00 東京文化会館(小)
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212
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