浜離宮朝日ホール 開館30周年記念 フィルハーモニクス ウィーン=ベルリン

凄腕アンサンブルが奏でるバラエティに富んだ2つのプログラム

(c)Max Parovsky

 クリスマス直前、「フィルハーモニクス」がやってくる。クラシック、クレズマー、ジャズ、ポップスなどジャンルを問わず、洒落た編曲で超絶テクニックと濃密な歌を聴かせて、聴衆の興奮を誘ってきたアンサンブルだ。当初はウィーンを拠点に始まり、チェロのシュテファン・コンツがウィーン・フィルからベルリン・フィルに移籍したり、ベルリンのコンサートマスター、ノア・ベンディックス=バルグリーが参加したりして、二大オーケストラのメンバーを中心とした「フィルハーモニクス ウィーン=ベルリン」となった。

 12月14日の浜離宮朝日ホールは贅沢な昼夜2公演、しかも内容が違う。14時の公演は「ようこそ、フィルハーモニクスの世界へ!」と題して、彼らのエッセンスを約70分(休憩なし)で味わえるマチネ。「ハンガリー舞曲第1番」、「シェヘラザード」、ショスタコーヴィチ「24の前奏曲とフーガ第1番」といった楽曲が、最高の編曲とアドリブ満載の演奏で楽しめる。19時からは休憩ありの約2時間、「ダンス ウィズ フィルハーモニクス!」。フレディ・マーキュリー「ドント・ストップ・ミー・ナウ」は熱い時間になりそうだし、R.シュトラウス「7つのヴェールの踊り」はどんな編曲と演奏が展開されるのか予想がつかない。いずれにしても、客席で思わず体が動いてしまうような痛快な体験になるはず。昼夜とも演奏される「フェリス・ナヴィダ(メリー・クリスマス)」で、今年は思いきり陽気にクリスマスを迎えられそうだ。
文:林昌英
(ぶらあぼ2022年11月号より)

【ようこそ、フィルハーモニクスの世界へ!】
2022.12/14(水)14:00
【ダンス ウィズ フィルハーモニクス!】
12/14(水) 19:00
浜離宮朝日ホール
問:朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990 
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/