石井楓子がグリーグ国際ピアノコンクールで優勝

ファイナルでベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団と共演する石井楓子(左) (c)Dag Fosse

 8月26日から9月3日にかけて、ノルウェー第二の都市ベルゲンで開催された「グリーグ国際ピアノコンクール」で、石井楓子が優勝した。このコンクールは、審査委員長兼音楽顧問のアイナル・ステーン=ノクレベルクの呼びかけにより、オスロ・グリーグ協会等との共同事業として2000年に創設された「コンクール・グリーグ」が、2012年から改名。2年に一度、グリーグゆかりの街で開催され、前回2018年には髙木竜馬が優勝を果たし話題となった。小川典子が前回から審査員の一員に加わっている。

審査員の小川典子(右)と

 17回目を迎える今回は、コロナの影響により4年ぶりの開催。ビデオによる予備審査を通過した26名が、8月27日の1次予選に参加した。9月3日に行われた本選には3人が選ばれ、グリーグ・ホールでベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団と共演。石井はグリーグのピアノ協奏曲 op.16を演奏した。

審査員のリーリャ・ジルベルシュテイン(右)と

 石井は、1991年神奈川県生まれ。桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学を経て、同研究科を修了。2013年、第82回 日本音楽コンクールピアノ部門第1位。2015年より渡欧し、ケルン音楽大学を経てバーゼル音楽院修士課程・演奏家課程を首席で修了。2019年には、第26回ブラームス国際コンクールにおいて第3位に入賞している。室内楽を東京クヮルテット、三上桂子、藤原浜雄、堤剛、ピアノを江崎光世、加藤伸佳、横山幸雄、村上弦一郎、Claudio Martinez-Mehnerに師事。これまでに、指揮者では尾高忠明、秋山和慶、高関健、現田茂夫、藤岡幸夫、川瀬賢太郎、沼尻竜典、下野竜也、阪哲朗、オーケストラではN響、読響、東響、東京フィル、日本フィル、京響などと共演。また、デトモルト劇場オーケストラ、ブラショフ・フィル、ヤナーチェク・フィルをはじめとした海外オーケストラとの共演も重ねている。

 優勝した石井には、賞金3万ユーロが贈られるほか、副賞としてグリーグ博物館「トロルドハウゲン」でのコンサート、クリスチャンサン交響楽団との共演、2024年にロフォーテン諸島で開催されるロフォーテン音楽祭への出演の機会などが与えられ、今後の国際的な活躍も期待される。

(c)Dag Fosse

International Edvard Grieg Piano Competition
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