ダンサー・振付家として独自の世界を確立している森山開次。鬼気迫るソロで観客を魅了する一方、演劇やミュージカルなどでも幅広く活躍。近年は、能楽師・津村禮次郎をはじめとする日本の古典芸能畑の才能とのコラボレーション、インドネシアやベトナムでの文化交流大使としての活動なども、精力的にこなしている。常に新たな出会いや発見を求めているかに見える彼が、またしても刺激的な公演に参加。演出家・白井晃が音楽家・三宅純のアルバムを舞台化する『Lost Memory Theatre』 だ。「廃墟となった劇場に残る記憶」をテーマに、生演奏の音楽と演劇とダンスが展開するという。出演は山本耕史、美波、江波杏子、そして森山のほか、バレエダンサー4名。森山は振付も担当し、白井のイメージを具現化する。敢えて、言葉による明確な物語が存在せず、出演者の表現方法も同一ではない地点から出発し、イメージを共有・構築する試みは、実にチャレンジング。未知の表現に挑む彼らの成果に注目したい。
文:高橋彩子
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)
8/21(木)〜8/31(日)KAAT神奈川芸術劇場
問:チケットかながわ0570-015-415 http://www.kaat.jp
9/6(土)15:00、9/7(日)14:00 兵庫県立芸術文化センター (中)
問:芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255