ヴィクトール・ゴールドベルク(ピアノ)

“最後のレジェンド”の真価


 「ホロヴィッツの再来」「若きルービンシュタイン」…。演奏史に偉大な足跡を残す巨匠ピアニストたちのかつての姿に重ねて、その名演を称えられているヴィクトール・ゴールドベルク。ロシア生まれのイスラエル人で、ジュリアード音楽院など名門で研鑽を積み、カーネギーホールをはじめ世界中の檜舞台への出演やオーケストラとの共演を重ねる一方、ウィーン音楽院などでマスタークラスを担当するなど、後進の指導にも力を注ぐ。さらに、ユダヤ人としての自らのルーツにも真摯に向き合い、チャリティー活動にも尽力。今回の来日リサイタルでは、ムソルグスキー「展覧会の絵」やスクリャービンのソナタ第5番、ショスタコーヴィチ「24の前奏曲とフーガ」から第24番、チャイコフスキー「四季」からの抜粋と、ロシアの作品を特集する。その卓越した抒情性と熱意、作品への洞察力の深さで聴衆を魅了し、“最後のレジェンド”と絶賛されるゴールトベルク。ぜひとも、その真価を自分の耳で確かめたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年6月号から)

★5月30日(金)・大阪/ザ・フェニックスホール Lコード:57594
 問:06-6363-7999 
 6月4日(水)・トッパンホール Lコード:34099
 問:プロアルテムジケ03-3943-6677