菊地裕介(ピアノ)

俊英の自在な感性が切り拓く新境地

(C)Shigeto Imura
(C)Shigeto Imura

 自在で先鋭的な感性が眩い光を放つ、ピアニストの菊地裕介。正統派ロマンティック・プログラムを通じて、新境地を切り拓くリサイタルを開く。1977年に東京で生まれ、高校卒業と同時に渡仏し、パリ国立高等音楽院に留学。ピアノ・ソロのみならず、歌曲伴奏や作曲書法も幅広く身につけ、さらにハノーファー音大でも研鑽を積み、ドイツ国家演奏家資格を取得した。主要国際コンクールで入賞を重ね、昨年に完結させた全4巻からなるベートーヴェンのソナタ全集録音が好評を得るなど、精力的な演奏活動を展開している。今回のステージは、シューベルト最後のピアノ・ソナタである第21番を核に据え、ショパンの「幻想ポロネーズ」ことポロネーズ第7番と、陰影に富んだラヴェルの佳品「鏡」全5曲を配した、彩り豊かなラインナップ。名手・清水和音をして「若手奏者で一番」と言わしめた技巧はもちろん、深い精神性も備えた俊英が、全身全霊を傾けて表現する音楽を体感したい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年5月号から)

5月18日(日)・音楽サロンA・PIACERE in 豊田
問:小劇場コンサート in とよた090-4233-3445

6月1日(日)・東京オペラシティ リサイタルホール
問:アルペンミュージックオフィス03-5739-1663