コルンゴルトで聴く“魔術師”の手腕
クラシック音楽の多彩な魅力を満喫できる大好評シリーズの第9弾は、おなじみの大友直人&東京交響楽団による演奏。J.シュトラウスⅡの「皇帝円舞曲」とチャイコフスキーの交響曲第4番を、読みの深い吟味された表現で歌い上げる。この2大名曲の間に演奏されるのが、今や20世紀を代表するヴァイオリン協奏曲のひとつに数えられるようになったコルンゴルトの協奏曲。マーラー、R.シュトラウスを唸らせた神童で、1930年代に渡米後はハリウッド映画の作曲家として名を馳せた彼の特色が十二分に発揮された傑作だ。ソリストを務めるのは、アメリカのナッシュビル交響楽団のコンサートマスターとして活躍中の岩崎潤。アメリカで育ち、クリーヴランド音楽院の大学院を卒業と同時にオレゴン交響楽団のコンサートマスターに就任。その重責を4年間務めた後、2012年から現職にある若き実力派だ。アメリカの新聞評で「魔術師のよう」と讃えられる手腕に期待が募る。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ2014年2月号から)
★3月8日(土)・よこすか芸術劇場
問:横須賀芸術劇場046-823-9999
http://www.yokosuka-arts.or.jp