東京六人組

グルーヴ感あふれるピアノと管の超絶アンサンブル

後列左より:福川伸陽、荒 絵理子、金子 平
前列左より:上野由恵、三浦友理枝、福士マリ子

 「六人組」と聞いてまず思い出すのはもはやフランスではなく東京? というほどに日増しに存在感を強める東京六人組。上野由恵(フルート)、荒絵理子(オーボエ)、金子平(クラリネット)、福士マリ子(ファゴット)、福川伸陽(ホルン)、三浦友理枝(ピアノ)によって2015年に結成、今や定期的なコンサートとオクタヴィア・レコードからリリースされている3枚のCDで、その類まれなる技巧による圧倒的な「グルーヴ感」は多くのファンの知るところとなった。

 ここに紹介するめぐろパーシモンホールでのコンサートはもともと5月に開催される予定だったもの。しかしコロナ禍によって延期となりこの12月9日の実施が決定されたのだが、プログラムがまた実に興味深い。ブラームスのハンガリー舞曲の六重奏アレンジ版、元N響の首席クラリネット奏者で作曲家としても活躍する磯部周平の「きらきら星変装曲」はモーツァルトの有名な主題がシェーンベルク風、バルトーク風、シューマン風、ブラームス風、ベートーヴェン風、バッハ風に料理されて出現(だから変“装”曲)、そしてシェーンベルクの管弦楽編曲でも有名なブラームスのピアノ四重奏曲第1番をアメリカの大フルーティストであるサミュエル・バロンがピアノと木管五重奏にアレンジしたバージョン。実に攻めているではないか。管楽器ファンのみならず多くのクラシック・ファンにぜひ聴いていただきたいコンサートだ。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2020年12月号より)

2020.12/9(水)19:00 めぐろパーシモンホール
問:めぐろパーシモンホールチケットセンター03-5701-2904
https://www.persimmon.or.jp