ウィーン・フィルを支える名手をソロで聴く絶好のチャンス
人は言う。「伝統のサウンドを支えているのは、この男だ」と。重厚かつパワフル、しかし常に温かさを失わぬ音色で、名門ウィーン・フィル独特の響きの創出に貢献しているのが、首席トランペット奏者のハンス・ペーター・シュー。ピアノの名手・児嶋一江とのデュオ・リサイタルで、その奥の深い魅力を堪能させてくれる。
オーストリア東部ピンガウ出身。ウィーン国立音大などに学び、リンツ・ブルックナー管弦楽団の首席奏者を経て、1978年にウィーン・フィルとウィーン国立歌劇場管弦楽団へ。93年から首席奏者を務める。一方、卓越したソリストとして知られる児嶋。トロンボーンのブラニミール・スローカーら管&弦の巨匠とも共演を重ね、絶大な信頼を得ている。
ステージは、17世紀のD.ガブリエリと20世紀のピルス、古今のトランペット・ソナタが大枠に。古典派のネルーダの協奏曲や、現代のツェビンガー「ユダヤの歌によるパラフレーズ」などを披露。さらに、児嶋がソロで、ベートーヴェン「7つのバガテル」とR.シュトラウス「情緒のある風景」からの抜粋を弾く。
また、京都橘大学吹奏楽部とのジョイントコンサートもあり、フレッシュなタレントたちとの共演も楽しみだ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年7月号より)
デュオ・リサイタル 2018.7/11(水)19:00 ヤマハホール
ジョイントコンサート 2018.7/15(日)14:00 京都府長岡京記念文化会館
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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