“春”の到来を告げるフレッシュなステージ
音楽大学に通う学生たちが、学校の垣根を越えて集い、ひとつのオーケストラとして演奏会を作り上げていく。その成果を披露するのが、各大学の選抜メンバーで構成される「音楽大学フェスティバル・オーケストラ」である。7回目を迎える今回は、首都圏の9大学(上野学園大、国立音大、昭和音大、洗足学園大、東京音大、東京藝大、東邦音大、桐朋学園大、武蔵野音大)に、愛知県立芸大と名古屋芸大も加わり、11大学から精鋭が集まる。
注目の指揮者は、ドイツとフランスの名門団体のポストを歴任し、日本でも多くの名演を重ねてきた準・メルクル。若手音楽家の育成にも力を入れる名匠である。選ばれた曲目は、ドビュッシー「春」、シューマン交響曲第1番「春」、ストラヴィンスキー「春の祭典」と、「春」づくしの3曲。とはいえ、その内容、様式、編成はまるで異なり、メルクルは「音楽的には挑戦」と語る。奏者にとっては刺激的で最高の題材、聴衆にとっては多彩で豪華な演目だ。「素晴らしいコラボレーションを楽しみにしている」というメルクルのタクトのもと、若き才能の爆発を大いに楽しみたい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2018年3月号より)
2018.3/24(土)15:00 東京芸術劇場 コンサートホール
3/25(日)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296
http://www.geigeki.jp/
ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
http://www.kawasaki-sym-hall.jp/